英語のライティングやスピーキングの指導をしていると、
生徒さんたちの多くが
「書くことや話す内容が思いつかない。」と言う壁にぶつかります。
いつも指導の仕方がむずかしいなと思う場面です。
自分が経験したり、興味があることでないと何を書いたら良いのか、
何を話したら良いのか、
これは、大人の学習者でもぶつかる壁です。

逆に好奇心があって、好きなことに熱中しているお子さんは、
どんどん学んだ内容を吸収していくことができる。
こちらがその話題に誘導していけば、
自分で経験したことに基づいて書いたり、
話したりできるからです。
学習が進んでいけば、
ある程度までのレベルには到達できますが、
そこから先
「英語が流暢に話せる」と自信を持って言えるようになるには、どうしたら良いか?
大人の学習者でも子どもの学習者でも意識しておくと良いことを探ってみました。
自分が好きなこと、興味のあることを大事にする
自分はこの内容についてなら話せるという
得意分野を見つけること
これは英検1級の面接試験に2回落ちた経験
から学んだことです。
1級の面接試験のスピーキングの内容は、
トピックが多岐にわたっています。
最初は何から手をつけて良いか分からず、
ただ、いろいろなことを表面的にさらっていました。
ちょっと型から離れてしまうと何も言えない自分にもどかしさを感じる日々。
これはそもそも
「英語力の問題ではなく、
自分の知らないことは、日本語でも全く語れないわけで、
ましてや英語で話せるわけがない」
ということに気づき始めてから、
自分の興味のある分野に内容を絞って全力を注ぎました。
ある程度その分野では、使う単語や表現は
決まってきます。
知識や興味があればそこから話を広げていくことができる。
それは話せたという達成感につながりました。
そこで学んだ表現は今でも覚えているし、
生きた英語として私の理解に深く定着しています。
子どもの場合も同じ。
マンガだってゲーム、歴史だって、サッカーだって
話のタネがある子はアドバンテージがあります。
恐竜が大好きな男の子がいました。
その話しを聞いてもらいたくて、
英語で恐竜の名前を一所懸命調べた子がいます。
その子から学んだことは、
「伝えたいことが先にあって、初めて語学の勉強が生きてくる」ということでした。

生活に余白を作る
そうは言っても、
何が好きなのか、
どんな分野に興味があるのか、
見つけられない場合も多い。
そういう時は、
日々の生活が忙し過ぎて、ゆとりがなくなっていないか見直してみることも必要です。
一見英語と関係がなさそうですが、
好きなことが見つかっている子は、日常生活に余白がある子が多いと感じるからです。
毎日習い事なので、びっしりスケジュールで埋まっている子は
いつも疲れていて、集中力が途切れがち。
忙しすぎて心のセンサーが鈍っているような気がします。
生活に余白がないと、何かしたいなという気が起こらない。
だから、自分の好きなことが見つからないというループにハマっています。
自分の好きなものや興味のあることに出会うためには、
ぼーっとする時間や内省する時間が必要です。
その気づきはこちらの本から得られました。

間違えてもなんとかなるというマインドを持つ
コミュニケーションは話す相手がある共同作業。
どう表現したら良いか分からない場合は、
単語でもいいから、発してみる。
そうすれば、相手がその言葉を拾って、こちらの意図を汲み取れる努力をしてくれます。
そして、多くの場合、こちらが言えないことを補って、それを適切な言葉に言い換えてくれる。
その表現をまた同じシチュエーションで使ってみればいい。
その経験の繰り返しで、だんだんとこちらの言葉の使い方も洗練されてくる。
「完璧じゃないといけない」という意識はスピーキングの上達をさまたげます。

まとめ
世の中には英語の学習方法の情報があふれています。
もちろん習得するためには、ある程度の勉強は必要です。
でも方法論ばかりを追求するあまり、
私にとっても英語が「使用目的のない道具」になりかけている時期がありました。
だから、今回は心理的な観点からアプローチしてみたという訳です。。
AIをうまく使いこなせることが重要視される世の中で、質問力、言語力が問われています。
好奇心、言語力、知識を持った上で、どう質問を投げかけるか?
ますます話す中身が大事になってくる。
オンライン英会話で講師の先生と内容のある話しができた時はレッスンの充実度が違います。
自分の思っていることが表現できて、相手と共感できるという喜びが、
語学を学ぶ私のモチベーションになっています。