何度も何度も見返したくなる映画があります。
「日々是好日」(にちにちこれこうじつ)
森下典子さんの人気エッセイ「日々是好日ー『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」を映画化したものです。
見るたびに発見があり、
心のビタミン剤になる映画。
主人公の典子が、なかなかお稽古を重ねてもお茶の作法がうまく身につかないとき、
人生のターニングポイントでさまざまな壁にぶつかったときに
お茶の師匠である武田先生が典子にかけた珠玉のことばの数々は
自分の心にメモしておきたい。
そのことばたちをいくつか英語で表現してみました。
習うより慣れろ
稽古は回数なのよ。一回でも多く数を重ねることよ。「習うより、慣れろ」ってよく言うでしょ?
(中略)
「頭で覚えちゃダメなの。稽古は、一回でも多くすることなの。そのうち、手が勝手に動くようになるから。」
Practice makes perfect.
何かを習得するためには、理屈だけを教わって、わかったつもりになってはいけない。
地道に繰り返し練習し、経験することで自分のものになっていく。
次の動作はどうだっけ?って考えているうちは、まだ自分の血や肉になっていないのだ。
神は細部に宿る
「間違えるのは、かまわないの。だけどキチンとやりなさい。一つ一つの小さな動きに、キチンと心を入れるのよ」
(中略)
「神は細部に宿る」という言葉があるけれど、お茶は細部にわたるこだわりの集合でできていた。
God is in the details.
お点前を一つ一つ丁寧に行うと、
その一連の体の動きの端々から、
次に何をすべきかが読み取れるようになる。
自分の「心」を目の前の一つ一つの動作に傾けると迷いなんてなくなるのかもしれない。
一期一会
人間は、ある日を境に「二度と」会えなくなる時が必ずくるのだ……….。(中略)
だからこそ、私は強く強く思う。
会いたいと思ったときに会わないといけないし、好きな人ができたら、好きだと言わなければいけない。
once -in -a-lifetime opportunity……. 「一生に一度きり」
元気だった父が突然亡くなって、
初めて自分が失ったものの大きさに気づく。
いつだって
This is a once -in -a-lifetime opportunity.
なのだということを肝に銘じておかなければならない。
苦と思わざる者に、知あり
「不苦者有知」という掛け軸がかかっていた。(中略)
「『苦と思わざるは、知あり』または『フクワウチ』うふふ……….]
No pain , no gain.
お茶の武田先生が出した掛け軸に書かれていた言葉だ。
痛みや労力なくして本当の智なんて得られない。
前に進んだり、成長するためには、
ある程度の苦労や壁を乗り越える必要があるんだ。
今を生きる
いろんなことがあるけれど、気長に生きていきなさい。じっくり自分を作っていきなさい。人生は長い目で、今この時を生きることだよ。
Live in the moment.
Seize the day.
過去を悔やんだり、
どうなるかわからない未来を思い悩んでも仕方ない。
今を一心に味わっていけば、自由になれる。
そんなふうに生きると、一見苦しいと思われる出来事が起こっても、その状況を楽しめる。
日日是好日〜毎日がいい日
雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身を切られるような寒さを味わう。……..
どんな日も、その日を思う存分味わう。
お茶とは、そういう「生き方」なのだ。
Every day is a good day.
Enjoy each day as it comes.

目で葉っぱの色付きの変化や掛け軸を眺め、
雨音や柄杓から水を注ぐ音にじっと耳を澄ませる。
お水とお湯が柄杓から汲み出す音がこんなにも違うなんて。
まとめ
日本の伝統文化である茶道は、
禅の思想に基づいた深い精神性の上に成り立っているのですね。
過酷な状況の中で生きてきた戦国武将たちが心の拠り所として茶道をたしなんだ理由がわかるような気がします。
ものごとというのは自分の考え方次第。
そして人生が豊かになるかどうかは、美しい言葉にたくさん出会えるかどうかにかかっています。
ほかにも原作である本では、心に響く文章にたくさん出会えました。
本の最後のページは付箋でいっぱいです。
結局
Life is what you make it.(人生は自分で作るもの)ですね。